
平成6年度農作業事故防止優良事例現地調査
−千葉県−
農作業事故防止の推進体制
千葉県の農作業事故防止対策は、県農業機械化経営振興会を主体に展開されている。主な活動の内容は集落講習会(農作業事故防止など)、農作業事故防止実践協議会(実践計画の策定など)、事故防止運動推進大会(事例発表など)、安全講習会の開催、危険箇所調査・整備、機械点検整備指導(点検の巡回指導)、道路安全走行の実践などである。県内で12回開催された集落講習会(平成5年度の実績)には延べ450人が参加している。
同振興会の前身である千葉県農業機械化経営技術振興会は昭和45年、農業機械化研修所の修了者の親睦と交流の中で同士的集団組織としてスタート。当初は研究、研修的行事が主だったが、高性能農業機械利用技能認定者の増加や全国組織の発足などの動きもあって、昭和63年に名称変更。農業機械士と一般農家の入会者によって市町村単位での支部組織で再出発し、最近では農作業安全関係対策の推進に力を入れている。
農作業事故防止対策
同県の平成6年度農作業事故防止運動推進大会は農作業実践モデル地区である匝瑳郡野栄町で千葉県と県農業機械化経営振興会の主催で行われた。当日は農家や関係者120名が参加し、近くの圃場ではキャベツ収穫機、ラジコンヘリコプターのデモンストレーションやトラクター、コンバイン、乗用田植機などの展示・実演も行われた。また大会ではバックホーを所有して排水路管理などを行っている野栄町農業機械利用組合の活動状況について事例報告があった。
千葉県では県農業機械化経営振興会支部が置かれ、体制整備が進んでいる地区として平成4年度に佐倉市の畦田地区と生谷地区、5年度に三芳村滝田地区、6年度は野栄町全域を農作業事故防止実践モデル地区に選定して事業を進めてきた。野栄町では同振興会野栄町支部会員と行政関係者による農作業事故防止実践協議会を開催し、モデル地区の設置・実施内容について協議。そのうえで以下のような取り組みを行った。
まずトラクター、コンバインを対象とした農業機械点検整備指導として、安全ステッカーの配布による点検整備の普及啓発や点検用工具の活用による点検整備指導を実施し、点検用工具も6セット揃えた。また危険箇所調査を実施し「危険箇所マップ」を作成、地域の集会などで提示するとともに、これに沿って危険箇所予告板を55カ所に設置した。設置したのは農道、市町村道で見通しの悪い場所や農道でも一般乗用車の通行が多い場所、路肩の弱い場所に「農耕車出入口注意」「作業機幅注意」「ブレーキ連結確認」「路肩注意」などの予告板を重点的に設置した。さらに同振興会会員や農協などの関係者を対象とした農作業安全講習会の開催、道路安全走行実践講習会の開催なども事業の一環として実施されている。
その他の取り組み
同振興会では農作業事故防止推進事業の取り組み以外にも様々な安全運動を進めている。平成6年には安全フレームに関するアンケート調査を実施。安全フレームなどの未装着の人は71%にのぼったが、そのうち88%は「安全フレームは必要」とし、また装着している人のうち97%が必要と答えている。同振興会では各種農業機械展示会で農作業安全コーナーを設置しこうしたアンケート調査実施のほか、安全資機材の展示、ビデオの映写、パンフレットなどの配布などを通じて農家の安全意識啓発に努めている。